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原子力規制委員会の指導・監督(保安検査結果)
平成27年6月30日に中国電力から連絡を受けた島根原子力発電所における低レベル放射性廃棄物のモルタル充填に用いる流量計問題については、平成27年8月5日の原子力規制委員会で「保安規定違反(監視)」と判定され、原子力規制委員会は年4回行われる保安検査において、安全文化醸成活動も含め中国電力の行う改善措置の状況を監視していくとされています。
(平成29年8月2日)平成29年度第1回保安検査結果
1 保安検査実施期間
平成29年5月29日~6月9日2 検査項目(抜粋)
過去の違反事項(監視)に係る改善措置の実施状況3 検査結果(抜粋)
事業者が策定した再発防止対策アクションプランの実施状況を確認したところ、平成28年度も四半期毎に業務実績を取りまとめるとともに分析・評価し、平成28年度末に有効性の評価を行い、平成29年度の実施事項を設定して、PDCAサイクルを廻していることを「LLW流量計問題 再発防止対策アクションプラン進捗管理表」により確認した。また、再発防止対策アクションプランにおいては、点検周期を1年未満に設定した機器を管理する観点から、統合型保全システム(以下「EAM」という。)を改良し、点検漏れ事象が発生しないよう管理できる体制を構築し、平成28年度末までにEAMの改良を終えたことを記録及び聴取により確認した。さらに、再発防止対策アクションプランにおいて、新たにEAMに登録管理することを決定した点検周期が1年未満の機器等についても、全て登録が完了していることを記録により確認した。以上のことから、当該保安規定違反(監視)に係る改善措置の実施状況については、管理対象を明確にし、再発防止を図るためのシステムは構築できたことから、今後は、さらなる有効性を評価し、継続的にPDCAサイクルを廻していることを保安調査等において確認していく。
4 参考(原子力規制委員会)
(平成29年5月10日)平成28年度第4回保安検査結果
1 保安検査実施期間
平成29年2月20日~3月3日2 検査項目(抜粋)
過去の違反事項(監視)に係る改善措置の実施状況3 検査結果(抜粋)
事業者は事実関係の調査確認・原因分析結果や外部諮問機関等の客観的調査・検証を踏まえ策定した再発防止対策アクションプランの具体的な方策に基づく再発防止対策について、平成28年度第1回保安検査以降も着実に実施していることを記録及び聴取により抜取りで確認した。また、再発防止対策の有効性を確認するため、職員インタビューを実施した。さらに、当該事案に係る再発防止対策のうち一部継続中となっていた統合型保全システム(以下「EAM」という。)の改良について、平成28年度末の完了を目指し作業を進めていることを記録及び聴取により確認した。なお、EAM改良作業については、引き続き今後の保安検査等においても実施状況を確認していくこととする。
(平成28年11月2日)平成28年度第2回保安検査結果
1 保安検査実施期間
平成28年8月29日~9月9日2 検査項目(抜粋)
内部監査の実施状況(本社検査含む)3 検査結果(抜粋)
平成27年6月に「島根原子力発電所低レベル放射性廃棄物のモルタル添加水電磁流量計の校正記録不備」が発覚したことを受け、「原子力安全管理監査要領」に基づき、考査部門(原子力監査)は発電所で3回、本社で1回の臨時監査を実施し、策定された再発防止対策アクションプランの各施策について適切に実施されていることを確認するとともに、良好事例を検出する等の改善につながる
取組が実施されていると評価していることを監査結果報告書により確認した。
(平成28年8月3日)平成28年度第1回保安検査結果
1 保安検査実施期間
平成28年5月30日(月)~6月10日(金)
2 検査項目(抜粋)
過去の違反事項(監視)に係る改善措置の実施状況
3 検査結果(抜粋)
「過去の違反事項(監視)に係る改善措置の実施状況」に関しては、事業者は事実関係の調査確認・原因分析結果や外部諮問機関等の客観的調査・検証を踏まえ策定した再発防止対策アクションプランの具体的な方策に従い実施された再発防止対策について、有効性評価を着実に実施していることを記録及び聴取により確認した。また、事業者は外部第三者の指摘を踏まえた再発防止対策アクションプラン以外のさらなる自主的な対策・取り組みについても検討結果を踏まえた対策を実施するとともに、有効性評価を着実に実施していることを記録により確認した。なお、当該事案に係る再発防止対策は一部継続中のものがあることから、引き続き今後の保安検査等においても実施状況を確認していくこととする。
(平成28年5月11日)平成27年度第4回保安検査結果
1 保安検査実施期間
平成28年2月22日(月)~3月4日(金)
2 検査項目(抜粋)
過去の違反事項(監視)に係る改善措置の実施状況
3 検査結果(抜粋)
「過去の違反事項(監視)に係る改善措置の実施状況」に関しては、平成27年度第1四半期における保安規定違反(監視)とした「島根原子力発電所低レベル放射性廃棄物のモルタル添加水電磁流量計の校正記録不備」について、事業者は事実関係の調査確認・原因分析結果や外部諮問機関(原子力安全文化有識者会議)及び外部第三者(弁護士、コンプライアンス・リスク管理専門家)の客観的調査・検証を踏まえ策定した再発防止対策アクションプランの具体的な方策に従い、再発防止対策を着実に実施していることを記録及び聴取により確認した。また、事業者は外部第三者の指摘を踏まえた再発防止対策アクションプラン以外のさらなる自主的な対策・取り組みについても検討を行い、対策に着手していることを記録及び現場により確認した。なお、当該事案に係る再発防止対策は一部継続中のものを除き着実に実施されていることを確認したものの、完了した再発防止対策について、今後、有効性評価を実施する計画もあることから、引き続き保安検査等においても実施状況を確認していくこととする。
(平成28年2月3日)平成27年度第3回保安検査結果
1 保安検査実施期間
平成27年11月30日(月)~12月11日(金)
2 検査項目(抜粋)
過去の違反事項(監視)に係る改善措置の実施状況
3 検査結果(抜粋)
「過去の違反事項(監視)に係る改善措置の実施状況」に関しては、平成27年度第1四半期における保安規定違反(監視)とした「島根原子力発電所低レベル放射性廃棄物のモルタル添加水電磁流量計の校正記録不備」について、事業者は外部諮問機関(原子力安全文化有識者会議)及び外部第三者(弁護士、コンプライアンス・リスク管理専門家)の客観的調査・検証を踏まえつつ、事実関係の調査確認、原因分析を踏まえた再発防止対策アクションプランとして具体的な方策を策定していることを調査報告書及び聴取により確認した。また、事業者は外部第三者の指摘を踏まえた再発防止対策アクションプラン以外のさらなる自主的な対策・取り組みについても検討を開始していることを記録及び聴取により確認した。さらに、事業者は、再発防止対策アクションプランの具体的な方策に従い再発防止対策を着実に実施していることを記録及び聴取により確認した。なお、再発防止対策の実施状況については、継続中の対策もあることから、今後の保安検査等においても引き続き確認していくこととする。
(平成27年11月4日)平成27年度第2回保安検査結果
1 保安検査実施期間
平成27年8月31日(月)~9月11日(金)
2 検査項目(抜粋)
過去の違反事項(監視)に係る改善措置の実施状況
3 検査結果(抜粋)
「過去の違反事項(監視)に係る改善措置の実施状況」に関しては、平成27年8月5日、原子力規制委員会にて保安規定違反(監視)となった「島根原子力発電所低レベル放射性廃棄物のモルタル添加水電磁流量計の校正記録不備」の原因分析及び再発防止対策の実施状況を確認する計画であったが、再発防止対策の検討が進行中のため、適切な校正が実施されていなかった流量計と同様な管理をしている機器の点検状況を確認することとし、対象となる機器について手順書等に基づき適切に点検が実施されていることを点検記録により確認した。
(平成28年8月5日)平成27年度第1回保安検査の原子力規制委員会への報告
資料5「平成27年度第1四半期の保安検査の実施状況について」抜粋
I.発電用原子炉施設に係る保安検査について
1.発電用原子炉施設(特定原子力施設及び廃止措置中のものを除く)
(2)保安検査期間外の保安規定違反について
平成27年度第1四半期の保安検査期間外で、「監視」に該当する事象が、中国電力株式会社島根原子力発電所において1件(島根原子力発電所 低レベル放射性廃棄物のモルタル添加水電磁流量計の校正不備について)確認された。詳細な内容は、別表1-2のとおり。
<別表1-2(抜粋)>
<別表1-2(抜粋)>
【件名 島根原子力発電所 低レベル放射性廃棄物のモルタル添加水電磁流量計の校正不備について】
平成27年6月26日、中国電力株式会社(以下「中国電力」という。)から、低レベル放射性廃棄体を作成するモルタル固化装置に設置されているモルタル添加水電磁流量計※2(以下「添加水流量計」という。)2台及びモルタル流量計1台の点検が行われていなかったことが判明した旨、報告があった。
保安規定に基づく中国電力の社内マニュアルでは、添加水流量計及びモルタル流量計はそれぞれ6か月に1回及び1年に1回、校正を行うことが定められていたが、担当者が校正を実施することを失念し、また、過去の記録の写しを用い校正を実施したかのように記録を作成していた。
当該業務については、担当者が校正を実施していなかったことを組織として検出することができず、業務の管理が適正に行われていなかったことから、保安規定第3条(品質保証計画)「7.5.1 業務の管理」の履行が十分でなかったものと判断する。
一方、これらの計器は、保安規定に基づく保全計画の対象外の設備であり、また、校正が行われていなかった期間に作成された廃棄体は全て島根原子力発電所の固体廃棄物貯蔵所の管理区域内において保管されていることから、原子力安全に及ぼす影響は軽微と判断し「監視」と判定する。
中国電力は、今後、その他に同様の事例がないか調査を行うとともに、原因分析及び再発防止対策の策定等を行うこととしており、原子力規制庁としては、今後保安検査等において、中国電力による改善措置の実施状況について確認していくこととする。
保安規定に基づく中国電力の社内マニュアルでは、添加水流量計及びモルタル流量計はそれぞれ6か月に1回及び1年に1回、校正を行うことが定められていたが、担当者が校正を実施することを失念し、また、過去の記録の写しを用い校正を実施したかのように記録を作成していた。
当該業務については、担当者が校正を実施していなかったことを組織として検出することができず、業務の管理が適正に行われていなかったことから、保安規定第3条(品質保証計画)「7.5.1 業務の管理」の履行が十分でなかったものと判断する。
一方、これらの計器は、保安規定に基づく保全計画の対象外の設備であり、また、校正が行われていなかった期間に作成された廃棄体は全て島根原子力発電所の固体廃棄物貯蔵所の管理区域内において保管されていることから、原子力安全に及ぼす影響は軽微と判断し「監視」と判定する。
中国電力は、今後、その他に同様の事例がないか調査を行うとともに、原因分析及び再発防止対策の策定等を行うこととしており、原子力規制庁としては、今後保安検査等において、中国電力による改善措置の実施状況について確認していくこととする。
また、本事象においては、担当者が行った記録の取扱いにおいて不適切な行為があったことから、以後の保安検査等において中国電力が行う安全文化醸成活動に対しても確認していくこととする。
※2:低レベル放射性廃棄体の作成過程において、容器に充填するモルタルの流動性を確保するための添加水の量を計測するための計器。